まさに伝説と化した不世出のヴァイオリニスト、ジネット・ヌヴーの名作ブラームスのヴァイオリン協奏曲。1948年5月3日に録音された名演奏なのですが、フィリップスの録音は今ひとつでした。そこに1981年にあらわれたのがSTILのCDです。なかなか市場に出回りません。見つけたら、即買った方がいいです。とにかく素晴らしいです。演奏の感想、『明日のジョー』で矢吹丈が真っ白に燃え尽きた、あの少年マガジンの最後の1ページ、それ以外の表現が出来ません。指揮ハンスシュミットイッセルシュテット、演奏北西ドイツ放送交響楽団。STIL西独盤。ブラームスは好きで、ムター、オイストラフ、シェリング、シゲティ等々名盤を聴いてきましたが、この演奏は異次元のものです。オイストラフはコンクールでヌヴーに甘んじて２位でしたが彼女の才能に脱帽していたそうです。彼女はこのブラームスの録音の翌年、飛行機事故により30歳の若さでこの世を去ります。