希少な布ですので、初めて目にされる方も多いかと思います。この布も、今ではもう手に入れることは難しいでしょう。
　これは、インドネシア スマトラ島 ジャンビで入手した金更紗で、大きさは約192㎝×102㎝、木綿地に美しい幾何学文様が印金されている19世紀後半の古い布であることを保証します。元は筒状の儀礼用腰布であったものが、開かれたものです。出てきた時からこの状態で、おそらく昔、現地で入手した時には既に開かれていたのだと思います。
　この布の素晴らしい点は、次の2点です。
　まず、金更紗は当時から大変貴重で高価な布である上に、このようにほとんど黒に近い藍一色の木綿地に印金された布は、金更紗の古いタイプで大変数少ないものです。30数年かけて蒐集した布の中でも、これ以外に後にも先にも出会えなかった唯一の布でした。今後スバギは出てきても、このタイプの金更紗の一枚布には他でも出会えないでしょう。
　次に、完全な長さで残っており、しかも状態が良い点です。印金の剥落や後に述べる傷み等はあるものの、大きな補修や破れが無く、なかなかこの状態では残っていないものです。生地にはリキがあり、大きさもありますので、裂として他の用途にお使いいただけます。きらびやかな状態よりも、経年による自然な印金の剥離が美しく、帛紗や包み等にすると味わいのあるものになるのではないでしょうか。印金は定着しており、すぐにぼろぼろと剥がれてくることはありません。
　なお、古布ですので以下の傷み等があります。3つの角の布の傷み（7枚目画像）、右下に裏側から縫われた補修と下端の傷み（8枚目画像）、中央左端の傷みと補修（9枚目画像の左側）、中央やや下に指摘されて分かる程度の小穴が2か所（9枚目画像の右側）、光に透かして分かる極小の穴が多数（10枚目画像）です。通常この時代の金更紗は傷みの激しいことが多く、上記の傷みだけですので、大変良い状態であると思います。各画像でご確認いただき、傷みや補修が気になる方は入札をお控えください。あまり残っておらず、一般には出ることのない布であることを保証します。整理のための出品で、希少さに比べてリーズナブルかと思います。大切に引き継いでくださる方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

※ 貴重な布で、あまり小さく折り畳みたくないので、補償のあるゆうパックか宅急便での発送にご理解願います。

※ 悪い評価の大変多い方は、入札時や落札時に削除をさせていただくことがありますので、予めご了承ください。また、（決済は期日までで結構ですが）落札者情報のみのご連絡だけは、翌日の午前中までにいただける方のみ、ご入札をお願いいたします。落札後に理由無くご連絡をいただけない方や到着後に受け取り連絡をいただけない方は、申し訳ありませんが以降の入札は、ご遠慮いただいています。

　同手の無地に印金された金更紗が、34年前の図録「岡田コレクション　インドネシアの更紗展」に掲載されていました。参考画像として、説明と併せてご覧ください。